奴と上野のバイク街に向った。
奴のマシンは88NSRだ。
一定のペースを刻みながら牽制しあって、お互いに様子を伺う。
上野が近くなってきた。
『ドクン、ドクン、ドクン』心拍数が上がる。
絶対に負けないっ!あの場所で奴をぶっちぎる!
地下鉄の扉が開き改札を抜けると、
オレ達の目の前に急な階段があらわれた。
ここだっ!!!
オレも奴も、猛然とダッシュする。
一気に駆けあがるが、奴も1歩も引かない。
ほとんど同時にゴール。
『また引き分けか・・・』
『はぁ、はぁ、はぁ…』
太陽の日差しに少し目がくらんだ。
どうもオレ達は、駅員に顔を覚えられてしまったようだ…byKEN